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玉出 賃貸の体験記

顧客のプライバシー保護、電子マネー偽造への対策、電子マネー発行体(銀行等)規制との絡みもあるが、インターネットに接続されたパソコンなどの画面上で、設計書の作成、契約申込み、診査依頼から、電子マネーによる初回保険料の支払いまでが可能になる日も案外近いのではないかと思われる(アメリカの全米保険監督官協会HNAICHでも、その日を想定して、保険のバーチャル・ショッピング(電子メディアによる保険販売)に関する契約法や募集規制上の課題と解決策について精力的な検討を続け、97年の秋季大会で法整備の基礎となる白書をとりまとめることとなっている)。
ただ、生命保険の販売チャネルとしてどの程度のウェイトを占めるかは、家庭においてネットワークに接続されるパソコンなどの普及率や生命保険会社のアクセスセンターの設置状況そしてインターネット上で提供される商品・サービス情報のコンテンツの質や量によって変わってこよう。 また、アクセス料金(回線料)などのインフラが大きな影響力を持つことはいうまでもない。
だが、生命保険会社が全力をあげて取り組まなければならない課題であることもまたいうまでもない。 生活保障産業であり金融サービス業である生命保険会社は、既述のように、21世紀に向けて競争優位を保持しうる戦略ドメインを見定め、そこに資本などの経営資源を重点的に投下しなければならない。
戦略ドメインは、会社によって異なる。 体力のある大手会社にとっては、日本版ビッグパン、金融のアン・ハンドリングや社会保障制度改革をにらんで21世紀の戦略を樹立することが急務であり、すでに対応組織を設けているところもある。
また、中小会社は、護送船団行政が廃きれ、商品や料率・配当が本格的に自由化きれるなかで、工夫をこらした独自の戦略を追求することが求められている。 ここでは、先ず中小会社の戦略から考える。
大蔵大臣の公式発言では、N生命のような深刻な打撃を受けている会社はないとのことであるが、仮にそうであるとしても、一般的に生命保険会社の経営が厳しい状況に置かれていることは確かである。 とりわけ、これまでも商品やチャネルに独自の戦略を展開することで好調な業績を示し、資産運用面でもリスク管理を適切に行ってきた外資系会社を含む一部の優良会社を除くと、大手追随型の全方位戦略を採ってきた会社は今後の生き残りを(場合によっては、合併、再編を含めて)改めて考えなければならないであろう。
これまでの戦略が成功した会社といえども、過去の成功体験がそのまま将来の成功を約束するとは限らない。 先見性と創造性を持って一歩先を行くことが求められる。
外資系や一部中小会社が得意にしてきた医療保険分野も、当面は見送られたものの、日米保険協議とビッグパン構想を受けて、2001年までには損保の生命保険子会社の参入が解禁されることが決まっている(大手生命保険会社の参入も可能性が高い)。 また、貯蓄性の強い商品や年金については、規制緩和によって生命保険業界のみならず、銀行、証券、さらには新外為法の成立を受けて虎視眈々と参入を狙う海外金融機関など他金融機関の金融商品との競合が一層強まると予想される。

さらなる資産運用能力の向上と経営の効率化がなければ生き残ることは難しい。 法人募集代理店規制も中小会社に配慮したものになっているが、規制緩和の流れからすれば、この関係がいつまでも維持できる保証はない。
損保商品を品揃えする大手会社に対抗して、損害保険会社との提携を進めた生命保険会社も、独自の商品戦略とマーケティング戦略がなければ大手に対抗することは難しいと思われる。 こうしてみてくると、平凡な結論ではあるが、中小会社にとっては、商品なりチャネルなりあるいは運用の場面において、競争優位(ニッチ)の分野に経営資源を集中し、ターゲットとする顧客の満足をうる特化型経営をいかに効率的に推進するかが間われているといえよう。
場合によっては、相互会社の株式会社化による経営の選択肢の拡大、金融持ち株会社を通じた経営の再編などドラスティックな事業の再構築が避けられないと思われる。 わが国の先を行くアメリカでは、中小の生命保険会社はすべてがM&Aを考え、また同時にM&Aの標的であるといわれている。
もとより、アメリカとの経営風土が異なるわが国で同様には考えられないかもしれないが、金融持ち株会社の解禁で共通点がさらに多くなることを忘れるべきではなかろう。 次に、体力のある大手会社の戦略についてであるが、大手といえども96年10月に生損保の相互参入が開始されたばかりであるから、損害保険子会社を軌道に乗せることが先決であり、経営の余力はそう大きくはない。
金融ビッグパンによって、銀行・証券との相互参入が可能になったとしても、かつて主張したようにコーポレート・ファイナンスのあらゆる側面に関わり、「すべての人にすべての金融サービスを」という金融スーパーマーケット戦略を唱えることはもはや不可能である。 欧米の生命保険会社でも、かつて金融スーパーマーケット戦略を展開した会社はほとんど成功していない(ただ、オランダの最大手保険会社N社と第3位の銀行グループN銀行の合併により誕生したI社は保険と銀行融合の成功例といわれる。
国際的な複合金融コングロマリットとして知られるI社は、B社が銀行による保険業務への進出の色彩が強いのと異なり、持ち株会社の傘下に保険と銀行を対等の立場で結合し、保険エージェントと銀行支店での双方の商品のクロス・マーケティングを中心に成果をあげている)。 わが国の生命保険会社の場合は、生命保険業務を中核としつつ、これまで関連事業として行ってきた金融関連業務の拡充から、金融大改革によって可能になる証券業務や銀行業務を取り込むことによって本来業務を補完し、企業や個人顧客に対するサービスの充実を図ることを考えていくべきであろう(その際、すべてを自前ということではなく外国の金融機関を含む他業態との提携が重要である)。
金融関連業務については、従来から生命保険業界は、保険業法の専業主義の下で、大蔵省銀行局長通達2673号(75年9月18日「保険会社とその関連会社との関係について」)と事務連絡にもとづく関連事業(会社)を通じて、業務の多様化を図ってきた。 関連会社の第一類型は、公正取引委員会の認可を得て100%の株式取得を認められた業務代行会社(生命保険の募集・集金代行会社など)である。
第二類型は「付随業務および準付随業務」といわれる業務を行う関連会社であり、これには、資産運用関連業務の多様化を図る目的の金融関連業務と、生活保障を中心とする業務多様化のための事業がある。 の業務には、信用保証会社、クレジットカード会社、リース会社、ベンチャーキャピタル、投資顧問会社、投資信託委託会社などがある。
これらの事業とはやや異質ではあるが、医療、老人福祉、文化振興、学術研究の助成などの社会貢献に資する業務を行う各種財団法人も関連事業の枠組みのなかで捉えられてきた。 今後も、規制緩和に伴い、経営資源を活用したこれらの金融関連あるいは生活保障関連事業の積極的な展開が求められる。
ビッグパンで相互乗り入れが可能になる業務中、先ず証券業務への参入は証券取引コストの節減効果がある。

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